「佐野の土」は「佐野の土」

 

大げさでロマンチックだけど、決して間違ってはいない話。

 

一握りの土の中には、この世界が生まれてから、今までの全ての歴史が詰まっている。

 

 自然界には百ほどの元素が存在しますが、一握りの土にはその全てが必ず含まれています。(含有率の差はありますが、文字通り「全て」です)

 

ある一定以上の重さを持つ元素たちは、遠い昔、太陽の何倍もの質量を持つ星が

 

その一生を終えるとき大爆発とともに一気に創り出され、宇宙空間にばらかれました。

 

それがまた重力の作用で集まり、やがて新しい星を創る。

 

今この一握りの土にそれらの元素が含まれていることは、

 

そうした気の遠くなるような過程を経て、この土がここに存在することの証なのです。

 

 

そして、あらゆることの結果として存在する土は、山の中で僕に掘り出されるのを、ひっそりと待っているというわけです。