一ヶ所焼き(佐野)とはこれまで焼き物を作りながら、あたため、そして実践してきた作陶スタイルです。
一言でいうと
どこか一ヶ所を定めて、そこの中の材料だけで焼き物をつくる。
という試みです。
「一ヶ所」と言っても、その範囲は自分で決めます。
自分の工房から3キロ以内とか、ある特定の山だけとか、材料を歩いて運んで来られる範囲だけとか、人それぞれでしょう。
僕の場合は佐野市の中だけと決めているので、一ヶ所焼き(佐野)となるわけです。
「材料」とはもちろん
・焼き物のボディをつくる土(粘土類)
・釉薬をかけるのであればその原料となる土や石や灰など
を指し、それらのものを全て自分で決めた範囲内「一ヶ所」で調達するのです。
次は形作ったものを焼き上げる窯です
これも既製の窯や、既製の耐火煉瓦を組んでつくった窯を用いるのではなく、やはり同じ山の土を突き固めて作った窯を使っています。
形式としてはいわゆる穴窯で、幸いなことにやはり近隣の山から調達する薪で焚いています。
イメージとしては昔の郷土料理。
流通や交通手段が発達していなかった頃、必然的にその土地で採れる素材だけで、工夫をこらして作り出された料理。
風土そのものといった料理。
そういったやきものを目指しています。